VW/ゴルフTSIトレンドライン(エンジン不調/Tチェーン交換)
中古車屋さんをしていると様々なメーカーのお取り扱いをいたします。
そのクルマ、メーカーによっては特徴的な故障の仕方も多々あります。
特に今年の夏は18系クラウン/マジェスタのエアコンドレン詰まり不良のブログで
ブログを見たというユーザー、クルマ屋さんなど全国からのお問い合わせは多数頂きました。
悩んでいる人には嬉しい答えのページがネットにある。
今回は国産車では無く、人気の外車VWゴルフに触れたいと思います。
(VW/ゴルフTSIトレンドライン)
(エンジン始動時に3秒~5秒以上のガラガラ音は危険度が高いといわれる故障のお話です。)
こちらは異常時は横滑りのマークとエンジンチェックランプ点灯表示
いつものコンピューター診断機ではカムセンサー、クランクセンサー異常と出ます。
リセット後でもクランクの異常は消えませんでした。
通常ならクランクセンサー交換しましょう~と言いたい所ですが・・・・・
どうもエンジン始動時のガラガラ音が頭から離れず、もしや、チェーンベルトが
延びているのでは??という疑心暗鬼からの作業でした。
過去に一度カムセンサー不良と出たニッサンマーチがあったのですが
最終的にTベルトチェーンが延びていて、センサー不良と言うややこしい作業もありました。
(この時の主な原因はOIL交換あまりしなかった事でした。)
話は戻り、そんなあまり聞かないTベルトチェーンが延びるというトラブルは
エンジンは始動がしずらい、またはエンジンが止まる。という今回の内容に似ている。
では!OIL交換あまりしない?もしくは材質に問題のエンジン内を見て見ます。
TSIダウンサイジングターボ!!今では世界主流になりつつあるダウンサイジングターボ車。
OIL交換はお約束なのですが、どうも外車になるとこの辺は一般的に消耗品として
扱うと考えた方が楽です。
国産車でOIL交換をまめにしとけば、まずは20万km台に突入と言う所ですがね・・・・(--)
エンジンカバー、液体パッキンを剥がせばこの通りにTベルトチェーンさんがご挨拶です。
ディーラーさんのお話によると、Tベルトチェーンが延びてるか?どうかの判断までは
VWディーラーさんで確認出来るみたいです。
しかし、そんな時間は無いぜー!!と言う事でバラシに入ります。この上の画像を見て頂ければ
分かりますが、走行距離7万kmでAUTOテンショナーが思いっ切り押しまくってました。
⇒矢印のチェーンガイドがブリッジ状態なのがわかります。(既にMAX状態なのか??)
こちらの画像ではテンショナーがガイドを押し出している画像です。正常の場合は左の画像になるのですが、
反対の右側の画像ではMAX状態でテンショナがーTベルトチェーンを張り出してるのがわかります。
実際今回のゴルフ6は右側の画像でテンショナーMAX押し出してました。(これ以上は張れない状態。)
(エンジン不良時再現)
ではエンジン内ではTベルトチェーンはどの様に張り出しているのか??
上の画像はガラガラ音が出てエンジン始動不良状態を想定した状態です。
テンショナーは押し出してガイドはチェーンを張りながらエンジン内でチェーンが回るのですが、
どうも右側のガイド頭辺りで延びたチェーンが綺麗に回りきれずに異音出している可能性があるのかな?
(エンジン正常時再現)
正常時はチェーンガイドもそこまでTチェーンを押し出す事無く、左右のガイドもその役割を果たしてる状態。
本当に?本当に?そんな事が理由なのかーー!!ご機嫌では無くなってきてるのよ~
では!新品のチェーンと、延びてしまったチェーンの長さを確認いたします。
(左)新品Tチェーン (右)延びただろうのTチェーン
右側の方がコマ2つ分くらいは延びてるのが確認出来ました。
延び切ってしまったTチェーンでは点火時期が狂い、エンジン始動不良、エンジン止まる、
最悪の場合はバルブがピストンに干渉してエンジン本体破損にある恐れがります。
今回はシングルカムのエンジンでしたがツインカムエンジンで高回転時走行などでは
コマ飛びしてエンジン一発で終了する可能性も十分にあります。(恐ろしいー)
原因は??やはりOIL交換しな過ぎは考えられますが、”材質”の問題もあるのではと思うのも正直なお話。
しかし本国ドイツでは、いやいや、これは”消耗品”ですからと言われれば・・・それでお話は終わり。
”国産車”の感覚だと壊れた!になりますが、”ドイツ人”の感覚だと交換する時期が来た!
というお話になるかもです。本当にこの様な作業時には勉強になるのです。
良い意味でも、悪い意味でも・・・・・。
新品のTベルトチェーンは一部黒いコマが装着されてますので新車時の物か?
既に交換されたものかは見て確認が出来ます。また新品のTチェーンを組めば矢印のガイドは
無理なく押し出しながら先程あったカム側の隙間が無くなりました。あとはカム側とクランク側で
点火時期の調整で終わり。印などはありませんので専用ゲージで測りタイミング位置を確認です。
(無事にエンジンは始動し、冷却時のガラガラ音もなんなく消えました。)
コンピューター診断機で再点検し、ご試乗して異常が出なかった為なのか、
そのまま車両側で既にコードがクリアされてました。(さすがドイツ車です。)
今回の故障修理には色々と情報収取したのですが意外と多い事にまずビックリでした。
ロングライフOIL15000千kmまでOIL無交換というメーカー側の説明もありますが、渋滞多く、
信号と信号の距離が短く、ストップ&ゴーで、温度差の激しい狭い日本。 本当に大丈夫??
OILの劣化は早くない?ターボ車ですよ??いくらエンジンOIL100%化学合成油使用しても
それは無理では??という疑問ももちろんありましたが、ディーラーさん曰く問題は無しとの事でした。
~エンジンガラガラ異音・エンジン始動不良~
症状/エンジンチェックランプ点灯・横滑りマーク点灯・エンジン始動不良・エンジン止まる
修理内容/Tベルトチェーン一式交換
ちなみに参考までに!!このゴルフ6シリーズはこちらも弱点です。
VWご自慢の7速ATこちらのDSGユニットが押し出されてユニットケースは歪み走行不可能になります。
ゴルフ6に乗られてる方はまずはディーラー整備記録簿などで確認です。
また改良版/交換されてるユニット側にはバーコードシールみたいな物も貼られてます。
こちらが壊れると安い軽自動車が買えます。
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